このエントリーは、テンデイズゲームズスタッフ高田が、自らの視点でゲーム内容を読み解き、紹介していきます。
2023年上半期発売(予定)のテンデイズゲームズタイトルからおすすめタイトルを注目ポイントも併せ、一挙紹介! 2023年年始から夏発売のタイトルまで紹介。 この夏の気になるタイトルも見逃した冬のタイトルがないかも一気にチェック!
<目次 >
だるまあつめ (絶賛発売中)
SBAM!(スバム!) (絶賛発売中)
マイシェルフィー(絶賛発売中)
オラニエンブルガー運河 (絶賛発売中)
ラ・グランハ デラックスマスターセット(6月末発売予定)
ドーフロマンティック (夏発売予定)
テラノヴァ (夏発売予定)
だるまあつめ
運と度胸を試す新定番カードゲーム
誰とでも幅広く遊べる作品です。「一家に一だるまあつめ」ほどの定番タイトルです。 たくさんのだるまを集めて、勝利を目指しましょう。
坊主めくりと同じ要領で、カードを1枚ずつめくっていきます。もし前に引いたカードと同じカードを引いてしまうと、カード全て捨て、手番は終了となります。
どこまでめくるか。いつやめるか。運と度胸が試されます。
・度胸試しと横取り、1枚のカードのジレンマ
このゲームは、カードをめくっていきますが、ただの坊主めくりにとどまらず、引くのを止めても、引いたカードは、すぐに獲得できず、一旦予約カードになる。次の自分の手番が回ってきて、やっと得点となる。
ここで重要な点として、予約カードは他のプレイヤーから奪われる可能性ある。他のプレイヤーの前に置かれた予約カードと、同じ数字カードを引いた場合、そのカードを横取りできる。
お互いに、人のカードを横取りしたい。でも、バーストはしたくない。ただカードを1枚めくる(を巡る)だけの選択に強烈なジレンマがある。
・わかりやすく誰とでも幅広く遊べる
ゲームは、2~6人で遊べ、少数で遊ぶとほかのプレイヤーからカードを奪われる可能性は下がるが、その分、自分との勝負、しっかりと運と向き合えるかが重要となる。一方、6人のように大人数で遊ぶと、カードを取った取られたの回数が増え、ドンドンとカードが溜まっていき、大得点のビックウェーブを楽しむことができます。どんなプレイ人数でも、子ども大人もみんなで一緒に楽しめます。
商品情報
タイトル :だるまあつめ
デザイナー:Reiner Knizia
プレイ人数:2人~6人
プレイ時間:20分
SBAM!(スバム!)
リアルタイム!プロレス!バトルロワイアル!カードゲーム !
手札は3枚、左右のプレイヤーとの間にカードを出していく。誰かがラウンド終了を示す「SBAM!」カードを誰かが出すまで、ラウンドは続き、リアルタイムにどんどんカードを出していく。
ラウンドが終了すると、勝負に負けたプレイヤーがダメージを受ける。一定数のダメージを受けると、ノックアウト。ゲームから脱落。最後までリングに立っているプレイヤーがゲームを、いやリングを制することができるのです。
・実は非常に優れたシステム
リアルタイムゲームでよくある課題は、今出したカードが正しいかなどの行動の正否の判断が難しい点がある。待ったがかるとゲームを中断し、正否の判断するとリアルタイムゲームなのに、盛り上がりを損なってしまう場合も多い。
一方このゲームでは、ゲームの正否の判断は、ラウンド終了時にするため、リアルタイムでカードを出している際中に中断することはないのだ。リアルタイムゲームの欠点をうまく補ったアイデアである。ゲームの基礎が非常にシンプルであるからこそ、ちょっとしたアイデアや気の利いたルールが大きく輝く。
・リアルタイムの数比べの判別
リアルタイムのゲームは、時間制限やほかのプレイヤーと時間を競わせることによって、通常は問題なく判断できることを誤った判断してしまうことを楽しむ点に魅力がある。本作も出したカードの数比べで勝敗を決める。2プレイヤー間に出された3色の色のうち、最も多く出された色の合計数を比べるだけである。ゲームに登場数数字も1~3だけ。説明聞いて、簡単だろうと感じた方にこそ、是非とも挑戦いただきたい作品です。
商品情報
タイトル :SBAM!(スバム!)
デザイナー:Tommaso Battista, Marco Pranzo
プレイ人数:2人~6人
プレイ時間:20分
マイシェルフィー
落ち物タイル配置ゲーム
タイル配置ゲームではあるが、タイルは好きな位置には置けず、下から順に積み上げていかなければならない。1度に3枚までタイルを取ることができるが、今獲得したタイルは順番は変えても良いが、全て同じ1列に入れなければならない。誰かがタイルで本棚を埋めるとゲームは終了する。
新しくかった本棚に自分の好きなものをびっしりと詰めて、自分だけの本棚を完成させ、友人に自慢しましょう。
・4種類の異なる得点源
ゲーム終了時に獲得できる得点は、大きく4種類ある。本棚の完成ボーナス点、色ごとの塊による得点、個人目標の得点と2種類のランダムの共通目標がある。特に共通目標は早く達成することで、ほかのプレイヤーより高い得点を取ることができる。しかし、共通目標を早く達成しようと、1度に多めのタイルを取ると、別の得点源の得点が伸びにくくなってしまう。タイルの取捨選択に加え、どの得点を優先的に進めるかもゲームをより面白くしている。
・ゲームのプレイ層の幅広さ
1手番に3枚までのタイルを取ることができるが、任意のタイルを取れる訳ではなく、少し制限がある。その縛りも決して厳しいものではなく、ちょっとイヤらしい程度。このため、次の手番プレイヤーに少々プレッシャーをかけることもできる。プレイヤーによってゲームの幅の広さが変わるゲームだ。コアゲーマー同士でガチガチとも、家族でまったりとも遊ぶことができる点もこのゲームの魅力の一つ。
商品情報
タイトル :My Shelfie(マイシェルフィー)
デザイナー:Matthew Dunstan, Phil Walker-Harding
プレイ人数:2人~4人
プレイ時間:25分
オラニエンブルガー運河
人気デザイナーUwe Rosenberg×コアゲーマー向けゲーム出版社「Spielworxx」
工場に運河や鉄道、モクモクと煙を吐く工場。いつでも工業テーマのゲームはグッとくるものがありますね。運河周辺に拠点を構え、様々な建物を建て、橋や運河などの交通網を確立させましょう。最高の工業地帯を建設し、多くの名声点を獲得したプレイヤーがゲームに勝利します。
・カード毎に大きく変化するゲームを見極めろ
本作にはいくつかのデッキが用意されていますが、各デッキ60枚のうち、1ゲームに登場するカードはなんと24枚(2人プレイ)。このため、ゲームの方向性は登場するカードによって、大きく変化する。キーとなるカードを見極め、計画を立てゲームを進めていく必要がある。本作では、プレイヤーの先を見通すビジョンと柔軟な対応力が強く求められる。デッキ内でも半分程度しかカードが登場しないが、デッキを変えることで、また異なったバリエーションで遊ぶことが可能。
・マニアックなテーマにマニアックなシステム
ウヴェ・ローゼンベルグの代表作の数々では、固定収入や特定の行動をすると効果を発揮する永続効果など、ゲームの進行に合わせ能力が強化されるゲームが多いが、このゲームでは、固定収入などなく、アクションとゲーム中に2回しか発動しない建物の効果しかない。この効果をいつ、より効率的な状況で使用できるかが非常に重要となる。リソース管理に加え、効果的な建物の発動などマニアックなゲームで、さらに工業地帯の建物と交通網のマニアックなテーマではある。加えて、プレイ人数も1名か2名と非常に限定的であるタイトルですが、ある種極地的なゲームを体験を望むプレイヤーには、挑戦してほしい1作です。
商品情報
タイトル :Oranienburger Kanal(オラニエンブルガー運河(拡張I&II付属))
デザイナー:Uwe Rosenberg
プレイ人数:1人~2人
プレイ時間:45分
ラ・グランハDX
2021年キックスターターでアナウンスされた本作は、元々2014年の作品のリメイク。
発売当時カードを複数の用途で使用する要素や、ゲームボード中央での陣取り、ダイスによるアクションの決定など様々なゲームのいいとこ取り詰め放題みたいな触れ込みでゲーマーを楽しませていた「ラグランハ」が超・超・超豪華コンポーネント、有名デザイナーによる多数のモジュール拡張を含んだ特大ボリュームで発売。なんと一般的なボードゲームのおよそ2倍の厚みの外箱にぎっしりと木製のコンポーネントやカードがこれでもかと。さらに個人ボードは、カードを下に配置しやすいよう、トリプルレイヤーとなっている。ゲームのルールブック類もなんと4冊も。これでもかと詰め込んだ文字通りビッグタイトルです。
・12の大ボリュームのモジュール
モジュールにはゲームをより遊びやすくするものから、熟練者の新たな試練に挑めるようなモジュールもあります。非対称の能力を得る「ラ・グランハの淑女たち」や市場でのエリアコントロールがよりシビアになる建物が追加される「盛況な町」も魅力的です。基本ゲームと同様に豪華のコンポーネントがすべてのモジュールに用意されています。 加えて、ソロプレイも充実。一部を除き、ソロプレイでもどのモジュールを入れても、遊ぶことができます。難易度も挑戦カードの枚数によって段階的に調整可能。複数人でも、ソロでも、モジュールを入替え、何度でも楽しめます。
「ラ・グランハ DX」のルールブックとモジュールブックをサポートページにてweb公開しております。気になる方はサポートページから事前にルールブックを読んで、購入を検討されることをお勧めします。
商品情報(6月末発売予定)
タイトル :La Granja: Deluxe Master Set(ラ・グランハ:デラックスマスターセット)
デザイナー:Michael Keller (II), Andreas “ode.” Odendahl
プレイ人数:1人~4人
プレイ時間:90分~120分
Dorfromantik(ドーフロマンティック)ボードゲーム
この夏一押し大本命タイトル
もともとデジタルゲームとして販売されていた「Dorfromantik」のボードゲーム版。タイルを配置し、タスクを達成しながら美しい世界をみんなで協力し作り上げていきましょう。繰り返しプレイしていくことで様々な要素をアンロックし、更なる高得点を目指し、何度もプレイしたく作品です。 先日発表された「ドイツ年間ゲーム大賞2023年」のノミネート作にも選ばれました。
・協力ファミリーゲームの王道
ボードゲームのシステムの中でも人気高いのタイル配置ゲームで、さらに協力。ほのぼのしたテーマ感もスコアアタック方式の得点もファミリーゲームとして、美味しいとこどり王道ゲーム。美しいタイルを1枚ずつ配置して、長閑で牧歌的な世界が広がっていく様をみんなでワイワイ相談しながら楽しめること間違いなしの作品です。
・キャンペーンモード
すべてのタイルを配置すると1ゲームは終了し、スコアを記録する。条件の達成や獲得した得点によっては、新たな要素がアンロックされる。アンロックされた新たな要素をゲームに追加し、次のゲームに臨む。追加された要素により、もっと挑戦的で、高得点の獲得が期待できるようになる。レガシーゲームと異なり、アンロック要素を戻すことで、新たにキャンペーンを始めることもできる。何度もプレイしたくなるような魅力的なゲームです。
この夏イチ押しのタイトルです。
商品情報(夏発売予定)
タイトル :Dorfromantik: The Board Game(ドーフロマンティックボードゲーム)
デザイナー:Michael Palm, Lukas Zach
プレイ人数:1人~6人
プレイ時間:30分~60分
テラノヴァ
世界的人気作の「テラミスティカ」をコンパクトに遊びやすくなったスピンオフ作品
プレイヤーはある勢力を担当し、様々な地形に入植し、版図を拡大を目指します。勢力毎に独自の能力を持ち、それらを駆使し、勝利を目指しましょう。 ゆるく共存関係のある陣取り、勢力ごとに異なる特殊能力、ゲーム毎に異なる得点源など多くのゲーマーを満たしてきた作品がスリムになって新登場。話題作の日本語版タイトルです。
・シンプルで時間も短く、誰でも遊びやすく
スピンオフ元の作品と比べ、様々な要素をそぎ落とし、シンプルでプレイ時間も短く、遊びやすくなった本作。種族は14種から10種に、資源の種類も3種類から1種類に変更、さらには宗教トラックもなくなった。が、要素を削った分の面白さも損なわれることはなく、元作品とは別の異なる魅力を獲得した印象。テラミスティカをやりたいけど、少し難しいなと感じている方にピッタリな作品です。
・だが決して初心者向けでもない
上で書いたことを早速否定している見出しだが、決して矛盾しているわけではない。様々な要素をそぎ落としたことで盤面での陣取りに特化した作品に変貌。ゆるい協力関係は維持してはいるものの、より熱いよりバチバチな陣取りを楽しむことができる。テラミスティカの簡易版ではあるが、決して初心者だけの作品ではないことを強く強調しておく。テラミスティカやりこんでる方も陣取りに特化したテラノヴァもぜひお試しください。
商品情報(夏発売予定)
タイトル :Terra Nova(テラノヴァ)
デザイナー:Andreas Faul
プレイ人数:2人~4人
プレイ時間:60分~90分