【スタッフ高田】2022年下半期発売タイトル一挙紹介!

このエントリーは、テンデイズゲームズスタッフ高田が、自らの視点でゲーム内容を読み解き、紹介していきます。

2022年下半期発売(予定)のテンデイズゲームズタイトルからおすすめタイトルを注目ポイントも併せ、ドドンと紹介!夏発売のタイトルからこの10月末発売予定のエッセン最新作まで一挙紹介。
年末年始にゆっくり遊ぶゲームも夏の見逃したタイトルがないかも一気にチェック! 

<目次> 
ティルトゥム (絶賛発売中)
兵馬俑 (絶賛発売中)
フォーラムロマナムの商人 (絶賛発売中)
エリアンティス (絶賛発売中)
ロスト・シーズ (絶賛発売中)
パンピンポンゲーム (絶賛発売中)
カエサル! (絶賛発売中)


ティルトゥム 

言わずと知れた新・黄金コンビ「ルチアーニ&タッシーニ」によるエッセン2022最新作! 
モダンユーロ系王道ボードゲームシーンの今秋の大本命タイトルが登場。 「ツォルキン」「マルコポーロの旅路」の大ヒット作を手掛けた2人のタイトル。この2人と言うだけで購入される方も多いはず。 
「ティルトゥム」では、ダイス選択によるアクションポイント制をメインメカニクスに据え、特定の都市で開催される4回の見本市(条件達成型の決算)を通して、名声点の獲得していくゲームです。見本市での参加条件は、その都市に商人もしくは、商館が必要となります。つまり、見本市の開催される都市にいないと、決算を行い、名声点を得ることができない。1ラウンドの手番も3回しかなく、計画的なゲーム進行が非常に重要となります。 
ゲーム全体を見通し、一手一手着実に進めていくことが要求されます。しかし、ラウンドごとに振られるダイスによって、このラウンド行えるアクションが決まり、計画していたアクションを行えないことも.時には大胆な手も必要かもしれません。 
1ラウンド3手番しかなく、縛りが大きいように感じますが、獲得したタイルを用いたフリーアクションや、メインアクションのアクションポイント制は十分に手番の幅を広げ、様々な行動を起こすことが可能となり、自由度の高いゲーム展開となります。しかし、油断は禁物です。王道ユーロゲームらしく、あちらを立てればこちらが立たずといったままなら無さも十二分に含んでいるのです。 ルネサンス期のヨーロッパ中を巡り、大聖堂の建設や契約の履行を行い、名声を稼ぎ最も有名な商人となることを目指します。 
 

【注目ポイント】

・ゲームの展開を大きく変化させる見本市 
「ティルトゥム」では、ゲーム中に獲得する得点とゲーム終了時のボーナス点とある。どちらも重要だが、ゲーム中に特に見本市で獲得できる得点をキッチリと獲得していくことがより重要である。ゲームで使用される見本市の組合せの種類は、条件の4種類と開催される都市の3種類(+1都市:ティルトゥムは固定)はそれぞれゲーム開始時にランダムに決定さる。ゲーム展開的に難易度も、獲得できる得点も異なる。ゲームが始まるたびに、見本市を確認し、このゲームでの勝利のキーポイントを見つけ出す楽しみも味わえる。毎回遊ぶたびに異なるゲーム展開を楽しむことができる。

・複雑に入り組んだ要素の広がり
ビッグタイトルらしく非常に多くの要素がゲームには登場する。アクションは6種類(内1種類はワイルド)、資源も5種類、アクションと紐づいた人物タイル、これらの要素がアクションダイスから広がるようデザインされている。アクション選択した後で広がる手番の幅の広がりが、まさにシステムと一体となっているかのようです。しかし、ただ広がった要素がそれぞれ単独で存在しているだけでなく、各資源は、重要な大聖堂の建設や、紋章タイルの配置など特に大きな得点源や重要なボーナス得る要素に繋がり、アクションが強化されたりと、また別の要素に繋がっていく。一見すると複雑で入り組んだように思われるゲームですが、一つ一つ解きほぐしてき、活路を見出した時の快感はまさにボードゲームを楽しむ醍醐味そのものです。 

商品情報 (10月29日発売予定)
タイトル :ティルトゥム 日本語版 (Tiletum)
デザイナー:Simone Luciani, Daniele Tascini 
プレイ人数:1人~4人
プレイ時間:60~100分


兵馬俑 

秦の始皇帝が亡くなった。皇帝の来世と墓を守るため、兵士の像(兵馬俑)の大軍を集めなければならない。プレイヤーは兵馬俑の建造を行う職人・芸術家となります。ゲームは5ラウンドからなり、放射線状に伸びたアクションホイールからアクションを選択・実行していくことで、資源やコインを得て、兵馬俑を作成していきます。ゲームを通し、皇帝の側近の恩恵を求め、兵馬俑を建設し、最も優れた功績を残した者が勝者となります。 
精巧な兵馬俑ミニチュアが目を引く注目タイトルですが、決してミニチュアゲームではなく、モダンユーロの重厚なタイル(ミニチュア)配置ゲームに仕上がっています。より効率的に得点を獲得できるよう、しっかりと考え配置していく必要があります。それぞれの兵馬俑には配置する際、ラウンド毎、ゲーム終了時にと、各段階で得点獲得のチャンスがあり、それらのチャンスを余すことなく、獲得していくことがゲームの肝となっています。 
人気作「ネメシス」の作者らが、「テオティワカン:シティオブゴッズ」などの注目パブリッシャーと組んだタイトルです。先に紹介の「ティルトゥム」と並び、BOARD&DICE社のエッセン2022の大注目作品です。 

【注目ポイント】

・アクション選択は3段アクションホイール 
ゲームのメカニクスは、アクションホイールの周囲にワーカーを配置することで、3種類のアクションが一気に決定するワーカープレイスメントを採用している。基幹のメカニクスは、非常にシンプルであるにも関わらず、悩ましいアクション選択が実現されています。さらに、アクション選択前に、ホイール1段を1マス動かすこともでき、シンプルが故に、単に簡単にしているわけでなく、アクション選択の自由度も併せて担保されている。 
また、兵馬俑の建造など重要アクションは、ホイール中央に配置されています。しかし、選んだアクションは、中央から実行しなければなりません。つまり、手番開始時に、資源など揃っていなければ、重要なアクションが実行できない。前の手番からしっかりと準備する必要がある。少ないアクションでいかに重要なアクションをきっちりと行うか、プレイヤーの腕が試されています。 


・資源はたった1種類、状態の変わる粘土 
ゲーム中に登場するリソースはコインと粘土のみ、ただし、粘土は湿った状態と乾燥状態の両面となっている。 兵馬俑は、粘土などで作られた像であり、このゲーム中でも、建造に必要なリソースは、基本的に粘土である。テーマ感との一体感もバッチリ。しかし、資源の状態という考え方を用いることで、ゲームのリソース管理に1ひねり加えられている。 使用せず、ラウンドを跨いで持ち越した粘土は、乾燥してしまう。一度乾燥した粘土は再度水を使用し、湿った状態に戻さなければ、兵馬俑の建造に使用でない。 粘土の状態管理も「兵馬俑」では、重要な要素の1つである。 

商品情報 (10月29日発売予定)
タイトル :兵馬俑 日本語版 (Terracotta Army)
デザイナー:Przemysław Fornal, Adam Kwapiński
プレイ人数:1人~4人
プレイ時間:90~120分


フォーラムロマナムの商人 

2008年に発売された幻の極少部数出版の経済カードゲームがリメイクされ、2022年秋に発売される。2020年末、暮らしとボードゲームの企画「僕らが今いちばんほしい絶版ゲーム決定戦」で善戦し、制作が実現されました。「パックス・パミール:第二版」に続くテンデイズゲームズのシリアスゲーマーラインナップ堂々の2作品目です。 
「フォーラムロマナムの商人」は、小箱で重量級ゲームが味わえる経済カードゲームです。各商品の価値の相場は全員の場に出したカードの合計によって決まり、誰かがカードを使用すると、場からカードが取り除かれます。場からカードが減るため、価値は下がる。価値が高くなった商品は、当然誰よりも先に売却・使用したい。ほかのプレイヤーを出し抜き、乱高下する相場感を読み切れるか?複雑な動きをする経済ゲームです。非常に通好みのゲームです。さらに、4人専用のため、プレイする敷居は高めではありますが、ドイツゲーム好き・経済ゲーム好きは、1度プレイする価値のある作品です。 

【注目ポイント】

・ゲームシステム2本柱 現金の存在しない経済 
ボードゲームで現金/コインはよく使用される。一方このゲームで一切登場しない。カードと相場を示すボードのみである。経済ゲームなのにだ。 名作「ムガル」などと同様、出されたカードの合計がそれらのカードの相場となる独特のルールに加え、相場決定に使用されているカードで支払い・取引を行うという2本柱だけでゲームが成り立っている。この2本のメカニクスがゲームに猛烈な悩ましさを生み出している。 

・価格の急落は一瞬、高騰はジリジリと 
各プレイヤーは自身の場に表向きの5枚と裏向きの3枚のカードを出すことができる。支払いに充てられるのはこれらのカードだけである。しかし、ラウンド毎に獲得できるカードは、一旦手札に入る。手札のカードは手番が来るまで、出すことができない。つまり、支払いに充てたカード商品の価値がすぐに下落するが、獲得したカードの商品価値の値上がりは、次の手番終了時まで起きない。このような複雑な相場変化を読み切って勝利を引き寄せることができるか。今まで体験したことのないような複雑な経済感を味わうことのできる一作です。 

商品情報 (10月29日発売予定)
タイトル :フォーラムロマナムの商人 (Händler auf dem Forum Romanum)
デザイナー:Florian Isensee
プレイ人数:4人
プレイ時間:60分


エリアンティス 

2000年発売のレオ・コロビーニの作品「カール大帝」が人気デザイナーのシモーネ・ルチアーニ率いるチームによってリメイクされ、2022年発売されました。 
「エリアンティス」のメカニクスは、近年では珍しい多数派陣取りで、複数ある島の所有権を取り合います。規定数ラウンド行うか、だれかが所有権を示すコマをすべて置き切るとゲームは終了します。より多くの陣地を獲得することでゲームに勝利します。 近年のゲームデザインとして、間接的なインタラクション(ほかのプレイヤーとの絡み)が主流で、直接攻撃といった要素は嫌煙されがちです。しかし、「エリアンティス」では陣地を取った、取られたの2000年代(90年代)の熱い陣取りを、現代の装いで楽しむことができます。 ドイツゲームを代表するシステムの1つであった陣取りを存分に味わうことのできる「エリアンティス」は、オススメの一作です。 

【注目ポイント】

・二重構造の多数派陣取り 
陣取りゲームで思い浮かぶのは、自身の担当色を多く配置して勝利を目指すゲームを想像する方も多いでしょう。 しかし、エリアンティスは、シンプルな陣取りではなく、陣取りを行う「色コマ」そのもののマジョリティをも争います。2段構えの陣取りとなっている。ある島の支配権は青色が有利でも、青色への所有権をもつプレイヤーが変化すると、同時に島の支配権も他プレイヤーに移ってしまう。会社の筆頭株主を争うといったようなスケールの大きな株式ゲームに通ずる面も持っている。王道陣取りゲームではない味付けをしっかり感じ取れる点も注目です。 


・バランス調整でゲームの魅力はそのままにより遊びやすく 
2000年発売当時は、プレイ時間や補充するコマなどいくつかの難点があったものの一定の評価を得ていた本作です。そこに、「バラージ」などで有名なデザイナーチームの細かな調整により、ゲームのダイナニズムはそのままにより遊びやすく、かつ鋭く仕上がっています。島タイルの数の調整や手札の追加などゲーム全体に調整が加えられている。調整によって、プレイ時間をギュッと凝縮し、より濃度の濃い、戦略的なゲームへと変貌を遂げている。また上級者に向けた選択ルールも加えられています。 ただし、もともと対手の手持ちの駒が見えており、アブストラクト味の強いゲームであったため、決して万人におすすめできるとは言えません。少しでも惹かれた方は、ぜひ1度プレイしてほしいです。 

商品情報 
タイトル :エリアンティス 日本語版 (Eriantys)
デザイナー:Leo Colovini
プレイ人数:2人~4人
プレイ時間:30分  


ロスト・シーズ 

「ロスト・シーズ」は、ここ数年「キングドミノ」など30分程度の短時間でツボをしっかりとおさえたゲームを連発しているパブリッシャーBlue Orange社の新作です。 
ゲーム開始時に自分が設定した各列・段の条件に合うよう、ドラフトで獲得したタイルを並べていきます。パズル要素のあるビンゴ感覚で楽しめる一方で、ゲーム好きでも遊びごたえのあるタイトルです。 

【注目ポイント】

・プレイ人数によって、変化するインタラクション
何人でプレイしても、毎ラウンド新たにめくられるタイルは常に4枚である。4人プレイでは、想像通りスタートプレイヤー順に1枚ずつ獲得していく。一方、3人プレイでは、最初にタイル獲得したプレイヤーだけが、すぐにもう一枚選びゲームから除外する。他のプレイヤーが欲しがっていそうなタイルを「カット」できる。2人プレイでは、2番目のプレイヤーも「カット」を行う。人数を変えることで、少しプレイ感の異なるゲームを楽しむことができる。

 
・自分の目標は自分で決めたもの 
ゲーム開始時に決める条件タイルは、両面仕様で、厳しい条件で高い得点面と、優しい条件で低い得点となっている。条件タイルを配置する際に、両面からどちらかを選ぶことができる。容易に達成できる配置では、ゲームに勝利するのは、難しいかもしれません。リスクとリターンの配分は、しっかりと考えなければなりません。ただし、決して他のプレイヤーをせめてはいけません。条件タイルを設定したのは、自分自身なのですから。 

商品情報 
タイトル :ロスト・シーズ 日本語版 (Lost Seas) 
デザイナー:ohan Benvenuto, Alexandre Droit   
プレイ人数:2人~4人 
プレイ時間:20分~30分 


パンピンポンゲーム 

新定番。2021年の大阪ゲームマーケットで話題となった国産リアルタイムカードゲームです。 
「パン!」「ピン!」「ポン!」とテンポ良く、カードを出していき、手札を最初に出し切ることを目指します。箱を開けて、カードを配り、すぐに遊べることができます。カードにはパン!ピン!ポン!の基本カードに加え、任意のカードとして出せるワイルドカードや2つの言葉が組み合わされたセットカードもあり、一筋縄ではいきません。ゲーム会の締めや、場を温める最初のゲームとしても、重宝する作品です。どんな場でも、どんな方とでも盛り上がる作品です。子供たちとも一緒にワイワイ楽しめます。
ここで長々と説明するよりも、実際のプレイに勝るものはありません。百聞は一見にしかずです。 

【注目ポイント】

・ちょっとしたルールがゲームを1段上に 
ただ順番に、リアルタイムに出していくといった、反射神経のゲームの範疇を超えはしないが、連続で同じ人が出せないものや、最後は基本カードを出していか上がれないといった細かなルールがゲームを1歩踏み込んだ作りとなっている。手札内のカードバランスをコントロールしていくことも実は重量であったりもする。 


・外箱のデザイン 
ゲームとは直接関係ないが、外箱のデザイン・仕様は、ゲームのプレイ感を損なわないようデザインされている。ボードゲームにとっては、デザインやテーマ、コンポーネントといった直接ゲームシステムには影響しないが、体験として非常に重要なものである。イラストが変化することで印象が変わるなんてこともある。「パンピンポンゲーム」では、「うんちしたのだあれ?」と同じ外箱の仕様となっている。これは、すぐにプレイでき、片付けも簡単だけでなく、カードを保護するスリーブに入れても箱に収まる。さらに、磁石で開け閉めするため、カバンの中で、箱が空いてしまっているなんてことも防いでくれる。そんな気の利いた外箱となっている。 

商品情報
タイトル :パンピンポンゲーム 
デザイナー:ンヌ 
プレイ人数:1人~6人 
プレイ時間:10分  


カエサル! 

「カエサル!」は、カエサルとポンペイウスとなりローマの覇権を争う2人用エリアマジョリティゲームです。このゲームでは、エリアの境界にお互いに影響力の書かれたチップを配置し、エリアを取り合います。境界にチップを置くため、2つのエリアそれぞれに影響力を及ぼしますが、チップには、2つの影響値が書かれ、どちらの向きに置くかも重要です。一方は大きい値だが、もう一方は小さい数値となっていたりするため、どのエリアの、どの境界に置くか、プレイヤーをより一層悩ませます。エリアを獲得することで、ボーナスチップを獲得や支配マーカーの配置することができ、特定の終了条件に達すると、ゲームは終了し、勝者が決まります。しっかりと考え所もあり、引き運の要素もバランスよく含まれ、比較的短く20〜30分で楽しむことのできる作品です。 

【注目ポイント】

・短時間でローマを掌握
手元の支配マーカーを使い切ることでゲームは終了する。隣接したエリアを1人のプレイヤーが支配することで、さらに追加で支配マーカーを配置できる。加えて、ボーナスタイルの「元老院」は、支配マーカーを使用する。エリア獲得以外でも、ゲームの勝利に近づくことができる。闇雲にエリアを獲得していくだけでなく、各エリアを含めたマップ全体の展開や、エリアに配置されたボーナスタイルも重要となる。エリアを獲得していくことで、追加の支配マーカーを使用する機会が増え、ゲームは加速度的に盛り上がり、終焉へと向かっていく。間延びさせることなく、ゲーム終了まで一気に駆け抜けていく。短時間でローマの権力闘争を体験できます。 

・支配とボーナス の取り合い
エリアの周囲全てに影響力チップが置かれると決算が発生、エリアをどちらが獲得するかが決定する。当然、エリアを獲得したプレイヤーが支配マーカーを配置する。しかし、そのエリアの最後のチップを置いたプレイヤーが、ボーナスを獲得できる。手元のチップを増やしたり、相手のチップを1枚無効にしたりと、ゲームの戦況を大きく左右する強力なボーナスが獲得できる。シンプルな数字比べに、アクセントの効いたボーナスを加えることによって、緊張感のある駆け引きを楽しむことができる。また、拡張3種類のボーナスチップも同梱されており、ゲーム展開に変化をもたらす。 

商品情報
タイトル :カエサル! 日本語版 (Caesar!: Seize Rome in 20 Minutes!) 
デザイナー:Paolo Mori 
プレイ人数:1人~2人 
プレイ時間:20分  

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