先取り紹介:ゴールデンカップ&ラ・ファミリア

 詳しい紹介はのちほどお送りするとして、このトピックでは、簡単ではあるものの、その分、いち早く紹介していきます。
 今回、お送りするのは、「ゴールデンカップ」、「ラ・ファミリア」の二作です。いずれも2025年1月中の発売を予定しています。

ゴールデンカップ(Golden Cup / Gabriele Bubola, Simone Luciani)

 いまやトップクラスの人気を誇るデザイナー、シモーネ・ルチアーニとレオ・コロビーニとの合作「オールドロンドンブリッジ」で好評を博したガブリエレ・ブボラによる新作です。

 プレイヤーは、自分のチームを率いて、ファンタジー世界の球技大会で優勝することを目指します。
 「自らのチームをビルドしながら、一対一の対戦を繰り返し、何試合か行った後、上位二チームで決勝戦を行い、その勝者が最終的な勝者となる」という、明らかに「チャレンジャーズ」の影響を受けたと思われるタイトルです。

 しかしながら、当然、「似たようなゲーム」に仕上げられているわけではありません。

 「チャレンジャーズ」が「デッキビルド」による「チーム自体の戦力の構築」がゲームの大半を占めているのに対し、「ゴールデンカップ」では、チームマネージメントの要素も盛り込まれています。
 より強い選手を引き入れるべくスカウトチームを強化することや、収入を増やすべくスタジアムの増築といったことが選択肢として用意されているのです。

 対戦相手との対戦方法も異なり、それに伴ってチームビルドもまた異なっています。
 「ゴールデンカップ」では、「対戦者同士による変則的なバッグビルド」とでも言えるような対戦方式が採用されています。
 各プレイヤーは、対戦と対戦のあいまに、攻撃や防御のトークンを獲得したり、トークンの強化を行います。
 そして、それぞれが持っているトークンを一つのバッグに入れ、そこからトークンを引く形で対戦が行われるのです。
 引かれたトークンの状況によって攻撃権を得た方がダイスを振り、判定に成功すれば見事得点獲得です。
 これを繰り返し、トークンの引いていくうちに、いわゆる「バースト」の状況になると試合終了。より多く得点を獲得していたチームが勝利チームとなります。

 そして、この試合で使用するトークンを、より多く―より多くのトークンをバッグに入れれば、自分のトークンが引かれる確率が高まるでしょう―、より強力に―枚数だけでなくその「質」が重要となるのは言うまでもないでしょう―するために、選手をチームへと引き入れることになります。
 また、自チームへ永続的な効果をもたらす能力や、ダイス判定を有利にする能力を持つ選手もいます。
 スカウトチームが見つけてきた選手の中で、自チームにもっとも貢献する選手を見極めることができるでしょうか。
 さきに書いたように、スカウトチームが優秀であれば、それぞれの効果がより強力な選手を見つけてきてくれることになるでしょう。
 最高レベルの選手は、まさに「メジャー級」とでも言えるような強力さ。うまくハマればとてつもない戦力になるはずです。

 「チャレンジャーズ」が人気を集めている中、この「ゴールデンカップ」が発表されたことで、「チームビルドと、それを用いた大会形式のゲーム進行」というジャンルが確立されたと言ってもいいかもしれません。
 優勝を目指し、自らのチームでライバルを打ち負かす興奮を、ぜひ、味わってみてください。

ラ・ファミリア 大マフィア戦争(La Famiglia: Great Mafia War / Maximilian Maria Thiel)

 「ラ・ファミリア 大マフィア戦争」は、なんと2対2のペア戦で行われる4人専用の大型ゲームです。

 プレイヤーは、シチリア島のマフィアファミリーとなり、チームメイトとともにシチリア島の覇者となるべく、敵対するファミリーと抗争を繰り広げることになります。

 ゲームは、ワーカープレイスメントとプロットによるアクション実行を組み合わせたものになっています。
 ワーカープレイスメントは、ユニークなアイデアが盛り込まれているものの、基本的にはワーカーの配置とそれに伴うアクション実行です。
 アクションを実行することで、ファミリーの構成員の増員や、ファミリーの強化や恩恵の獲得に繋がる司法や警察などへの影響力の増加などを行います。
 そして、このアクション選択の中に、シチリア島に配置された構成員への命令、すなわちプロットが含まれています。
 シチリア島に配置された構成員への命令だけに、そのほとんどすべてが構成員に隣接するエリアへと抗争を仕掛けさせるものになっています。この命令は、どのエリアの構成員に対してのものなのか、そのエリアへの命令のためのトークンを配置することで行われるため、命令の内容はこの時点では伏せられているものの対象は明らか、という点で駆け引きにも繋がっています。
 また、命令に用いるトークンは、ゲーム中に新たに獲得できる上位のものも含め、内容もその強さや解決順によって明確に個性付けされており、いかに使いこなすか、その手腕が試されることになります。

 こうして繰り広げられた抗争によって獲得したエリアが、そのまま勝利へ直結することになります。
 ゲームの構造としては、テーマを如実に反映させた「バチバチの殴り合いによる陣取り」となるわけです。
 また、ペア戦ということで、ペアを組むプレイヤーとの相乗効果を狙った戦略もポイントなるのは言うまでもありません。
 特定条件を満たすことでのサドンデス勝利・敗北もあるというシビアさという点も見過ごせません。
 明らかに人を選ぶ内容ではありますが、それだけに唯一無二の魅力を持った作品と言えるでしょう。

 一方で、「爆弾を載せた車で突っ込む」、「モーターボートで沿岸から攻める」といった(極めて物騒ながら)命令やアクションの数々は雰囲気もバッチリで、ゲームを盛り上げてくれます。そういった点で、決して、コアゲーマーのみに向けたタイトルとしておくのは少し勿体ないように思います。

 日本語版では、2人・3人でのプレイが可能となる拡張キットとのセット販売を予定しています。
 個性的なゲームを遊んでみたい!という方は、ぜひ、ご注目ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA