少部数には訳がある!?「ドッガーランド」

 さて、いよいよ発売となる(この記事が公開されたのは2月8日です)「ドッガーランド」。
 テンデイズゲームズとしては、新しい試みとなる「少部数生産ラインナップ」の一作となります。
 少部数生産ラインナップのポリシーといいますか、ちょっとした企画意図みたいなものは、先日のブログにあるとおりなので、ここでは割愛させていただきますが、とにもかくにも「少部数生産」であることには理由があり、その一番大きなところとしては、ぶっちゃけたところ「魅力的ではあるのものの、部数を多く用意するにはややリスクが大きい」というものです。
 それは「ドッガーランド」にも当てはまります。注目してくださる方が多いのは嬉しいのですが、その一方で、加熱しすぎてしまようであれば、その点については、いささか抵抗があるのが正直なところです。

 そこで、この記事では「ドッガーランド」のややネガティブな面、なぜ、コアユーザー向けや「そそられた人」向けであるのかを紹介したいと思います。

メインメカニクスは「オーソドックス過ぎる」?

 「ドッガーランド」は、いわゆる「ワーカープレイスメント」をメインメカニクスとしたゲームです。
 自分のワーカーである部族の駒を、いろいろなアクションへと送り込み、その積み重ねでゲームを進めていくことになります。
 強力な族長や、特殊なアクションを実行できるシャーマン、居住地を用意してから部族を増やす流れなど、見所は用意されているものの、とはいえ、「どこかで見た」感は拭えず、際立った個性までは至っていないと言ってもいいでしょう。
 王道的で、スタンダード、オーソドックスなワーカープレイスメントである、ということは押さえておきたいところです。
 「なるほど、こんな取り合わせがあったのか!」という新鮮さ、驚きを求めている方には、なかなか向かないのではないでしょうか。

タイルを並べて、動物を動かして―ちょっと処理が多いんじゃないの?

 ボードゲームにおいて、プレイヤーの意思が介在しない、単純な「処理」というのはつきものです。
 使った駒を手元に戻し、新しいタイルや新しいカードをめくる―ラウンドが変わる時に、こういった処理をいくどとなく繰り返してきたかと思います。
 「ドッガーランド」においても、そういった処理をいくつか行う必要があるのですが、さらに、特定の状況で追加される処理も、まあまあ多いのです。
 すでに到達している(発見されている)エリアの端まで駒が進んでいたならばその先の地形を明らかにするため、タイルをめくらなければなりません。
 ボード上に狩りの対象となる動物がいたならば、決められたルールに則って、それらを移動させなければなりません。
 手元にある食料は時間経過とともに傷みが進むため、それをトラック上で動かさなければなりません。
 これらを都度―さらに、動物に関しては、慣れるまでは間違っていないか注意しつつ―決して少なくない回数、行う必要があるのです。
 もちろん、ボリュームのあるゲームでは、ある程度の処理を行わなければならないのは必然ですが、「ドッガーランド」は、(それなりの本格的なタイトルとはいえ)どちらかと言えば、雰囲気重視のゲームです。ややアンバランスに感じる方もいるように思います。

添付サマリー必須?個人ボードにもしっかり注目?

 さきに挙げましたとおり、「ドッガーランド」は、オーソドックスなワーカープレイスメントであるため、プレイ自体に躓くことは少ないように思います。
 しかし、一方で、データ的なものを参照するケースが多く、その点でプレイングに負担があるかもしれません。
 例えば、重要な要素となる狩りにおいては、獲物の大きさによって必要な準備(大きい獲物を狩る場合はそれなりの準備が必要なわけです)、狩猟によって得られる対価(資源)の差などがあります。また、冬の厳しさも「ドッガーランド」の持ち味ですが、厳しい冬だけに、必要なコストにもちょっぴりですが変化が生じるため、最初は確認が必要でしょう。
 もちろん、規則性、ベースとなる考え方があるため、慣れればそれほど負担ではないように作られていますが、プレイ回数が少ないうちはサマリーやボードなど、参照するケースが多いでしょう。

ゲームで辛い思いを味わいたくない!冬が怖い!

 「ドッガーランド」では、夏と冬の二つの季節を繰り返すことになります。
 夏に資源を蓄え、冬の厳しい中でどう過ごしていくか―まさに、古い時代の過酷さを表現しているわけです。
 ゲームバランス的に、この冬ははっきりと厳しいものとして用意されているように思います。
 過ぎ去るのを待つだけであれば、それほど過酷ではありません。しかし、ゲームである以上、勝利へとアプローチしなければならず、「少し無理をして手を進めたい」となるのは必然です。
 身を切るような思いをしつつ、勝利に向かってアプローチを考えること、そしてそれが実を結んだ時のカタルシスは堪らないものがあるわけですが、ゲームの面白さを感じるポイントとしてはややマニアックと言わざるを得ないでしょう。
 「ゲームなんだから楽しくやりたい」という人は少なくないはずです。

 この記事を読んだあなたはどのように感じたでしょうか?
 ここで挙げたことは、すべてが「魅力の裏返し」であるとも言えます。「だからこそ、ドッガーランドは面白い」とも言えるのです。しかし、やはり、万人向けとは言いがたいのではないでしょうか。
 この記事を読んで、「いや、それがいいんじゃないの?」と思った方に手に取っていただけると幸いです。

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