ゲーム紹介:ラグーザ(Ragusa / Fabio Lopipano / Braincrack Games / 2019)

プレイヤーは、海に面した共和国「ラグーザ」の壁に囲まれた港町を舞台に、建築士としてこの都市の発展に貢献し、得点を得ていきます。

ラグーザは、区画がへクスで区切られており、プレイヤーが手番に行うことは、三つのへクスの頂点が交わるポイントに家を建てることです。
家を建てることで、プレイヤーはその周りの三つのへクスに描かれた利益を得ることができます。外壁の外側にあるへクスは資源をもたらし、外壁の内側、都市のへクスは割り当てられたアクションを実行することができます。
「ラグーザ」において、アクションの実行はとても特徴的です。手番プレイヤーがへクスのアクションを実行した際、そのへクスの周囲にすでに家を建てていたプレイヤーもそのアクションを実行できるのです。
「ラグーザ」でプレイヤーごとに用意された家はあまり多くありません。ですが、すでに家を建てていたプレイヤーもアクションを実行できることにより、他のプレイヤーの動向によっては用意された家の数から感じる以上にアクションを実行できるのです。ただし、そのためには家を建てるタイミングがカギとなることは言うまでもありません。

こうして、さまざまな資源を必需品へと加工して交易や売却を行ったり、外壁や塔を建設したりすることでゲーム中やゲーム終了後の得点に繋げていきます。また、ボーナスカードに描かれた要素からの得点も狙っていく必要があるでしょう。

手番中に行うことは「家を建てる」ということのみですが、そこから派生するアクションや、他のプレイヤーの動向を踏まえつつ、どのアクションをどう積み重ねていくかの「読み」と「駆け引き」、さまざまな得点要素など、ゲーム展開は非常に厚みのあるものになっています。

ここがポイント!

・「家を建てる」だけのシンプルさでありながら、さまざまな要素が有機的に絡み合った厚みのある作り
・自分が先行して建てていた家が、他のプレイヤーのアクションによってさらなる効果をもたらしてくれるのは思った以上の気持ちよさ(逆はとても悔しい)。そしてその相互作用が生み出す悩ましさ。
・得点を丁寧に積み重ねるのは渋くも楽しい
・おおよそ1時間~1時間半というほどよいプレイ時間
・ひねりの利いた1人用、2人用ルール

ちょっと気になるポイント

・ボードは丁寧に描き込まれており美しいが、そのため、若干、視認性が悪い(ただし、両面仕様になっており、見た目優先か見やすさ優先かで選択可能)

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