ゲーム紹介:アベニュー(Avenue / Eilif Svensson, Kristian Amundsen Ostby / Aporta Games)

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シンプルなペンシルパズル系のゲームですが、得点計算システムにより、より高い計画性が求められ、その展開は非常にスリリングという、ゲーマー心をくすぐられる一作です。

プレイヤーは、道を描きこむためのシートを一枚受け取ります。
ラウンド中に行われるのは、引かれたカードに描かれた形に道を、どこかのマスに描き入れることを繰り返すだけです。
各ラウンドの開始時に指定される農場が、そのラウンドの得点計算の対象となります。
ラウンド終了後、描き入れられた道をたどり、その農場から繋がっているブドウのシンボルの数が、そのまま得点となります。

しかし、このゲームでは、得点計算の際に「それぞれのラウンドごとに獲得する得点は、前のラウンドよりも高くなければならない」というルールがあり、もし、前のラウンドよりも得点が低くなってしまった場合は、得点は一切獲得できないばかりか、ゲーム終了時にマイナス点も受け取らなければなりません。出たとこ勝負で道を描き入れていては、決して高得点には繋がらないのです。

高得点を獲得するためには、すぐには使いどころのない道をその後の展開を見据えて「布石」として描き入れてもいいでしょう。そのために、ラウンド中に一度だけ、道を描き入れるかわりに次のラウンドの得点計算対象となる農場を知るという選択も用意されています。
また、ひょっとしたら、ほどほどのところでそのラウンドの得点に見切りをつけ、先々により有用となりそうな道を描くことに注力したほうがいい場合もあるかもしれません。
農場からの得点だけでなく、ゲーム終了時のボーナスとなる、城からの得点を重視してもいいでしょう。
どんな選択であれ、高得点を獲得するためには、高い計画性も求められるのです。

「ドゥードゥルシティ」と非常に近い見た目をしていますが、ゲーム性は大きく違い、ゲーム終了のタイミングをめぐる駆け引きが重視されていた「ドゥードゥルシティ」と比べ、こちらはよりストレートなペンシルパズル系ゲームに仕上げられています。
とはいえ、スリリングな得点システムにより、ゲーム好きも唸らされる内容。
「アベニュー」、きっと幅広い方に楽しんでいただけるはずです。

ゲーム紹介:キャピタルラックス(Capital Lux / Eilif Svensson, Kristian Amundsen Ostby / Aporta Games)

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手札のカードを「中央の場に出す」か「手元に出す」かの二択を繰り返すだけながら、強烈なジレンマと駆け引きを存分に味わえるゲームが登場しました。
デザインは、出版元であるアポルタゲームズを率いるオストビー&スベンソンのコンビです。

ゲームが開始されたら、まず、配られた5枚のカードについて、ドラフトを行います。
とはいえ、「2枚選び取って、隣のプレイヤーに渡す」を二回繰り返すという、ごくごくシンプルなもの。
このゲームは、とにかく端から端までシンプルさが貫かれています。

そのあとは、冒頭に書いた通り、手番で行うのは、「中央の場」か「手元」のいずれかに、手札から一枚を出していくということだけ。(なお、出したカードは、色ごとに分けて置かれることになります。)

そして、手元に置かれたカード、それぞれの色ごとに数値を合計し、プレイヤーの中で、より多い値となることを目指します。これも実にシンプルな目的です。

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であれば、出来るだけ手元に出していけばいいということになるわけですが、もちろん、そんな単純な話でありません。
というのも、中央に出されたカード、それぞれの色ごとの合計値が、手元に出されるカードの「許容値」のようなものになり、手元のカードの合計値は中央のカードの合計値を超えてはいけないのです。
もし、超えてしまうようなことがあれば、ラウンド間の得点計算において、手元に置かれた(超えてしまった色の)カードはすべて捨てなければならず、それはもちろん圧倒的な損失です。

これだけでは、中央の場にカードを出すことは損のように思えますが、中央にカードを出すことで、色ごとに用意された特殊効果の恩恵を受けることが出来、これもまた決して見過ごすことはできません。もちろん、状況によっては、その効果によって大きくゲームが動き、逆転に繋がることも少なくありません。
だからといって、この特殊効果は派手なものではなく、効果を最大限に生かすには、的確に状況を見極める必要があるでしょう。このあたりにもデザイナー二人のセンスの良さがうかがえます。

もちろん、それぞれの駆け引きには、ラウンド開始前のドラフトによって起こる手札の推理と把握がカギとなってくるのは言うまでもありません。

ここまでそぎ落とされたゲームは、いかにも現代的で洗練されたものであると感ずる一方で、90年代のドイツゲームが持っていた魅力のようにも思え、長くゲームを楽しんできた方にもたまらないものがあるのではないでしょうか。

多くのゲームファンに楽しんでいただきたい、強烈にオススメの一作です。